お茶摘み 5月11日

昔からこの地域の山間部では食事の時はもちろん、仕事の合間の一服などで、日々何回もお茶を飲む習慣があります。
そのお茶は各家の畑で栽培し、摘み取り、製茶してきました。
最近では製茶は工場に出す場合がほとんどですが、家で栽培している家庭は多く、お茶摘みは一年の中でとても大事な日となります。

茶摘みと言うと八十八夜が良く知られていますが、
実際は地域により少し前後します。
山間部は暖かくなる時期が遅いこともあり、
百夜ごろになります。
今年は5月11日、立春から数えて5月2日が八十八夜でしたから、
九十七夜ということでした。

茶摘みの時期は、新芽の伸ばし方にもよります。
最近は、2,3葉伸びたところで摘み取り、渋みや苦みの少ないお茶が作られることが多いと感じられます。しかし、この地域で自分たちが普段飲むためのお茶は、もう少し伸びて5葉前後になった状態の葉を摘みます。

5月に入り紫外線が強い日光を浴びて育つ葉には、カテキンが多く含まれるようになります。このカテキンはお茶を出した時に渋みや苦みとして感じられますが殺菌、消臭、整腸などのお茶が健康に良いと言われる成分なのです。また、新芽を伸ばして刈り取った茶葉には茎も含まれることになります。この茎が湯呑にまで注がれると茶柱になりますが、この茎には甘みや香りの成分が入っています。ただ、お湯を注いでからその成分が出るまで少し時間がかかります。

そのようなことから、ここで栽培されて作られるお茶の特徴は、優しくすっきりした印象で、甘みと渋みや苦みが徐々に抽出され、2杯目、3杯目も楽しめるというものです。

山間部のお茶栽培は、冬の寒さにより病虫害が抑制されることもあることから、農薬を使う必要がありません。また、朝晩の寒暖の差により、葉に露が降りたり霧が発生して強すぎる日光が遮られたりするため、渋みや苦みの発生を適度に抑えられているようです。

お茶の味わいは注ぐお湯の温度にも影響します。温度が高いほど、渋みや苦みが出ますが、低いと抑制されます。80℃より低い温度で注がれると甘みが良く感じられます。よってお勧めの飲み方としては、ポットのお湯が90℃以上で保温されている場合は、ポットから湯を一旦湯呑に移し、湯呑を温める代わりに湯温を下げてから急須に湯を注いで飲みます。2杯目以降は直接熱いお湯を注ぐことで、固めの葉や茎から体に良いと言われている成分を出して、ゆっくりと何度でも楽しみましょう。

そうやって毎日、毎食後、何度もお茶を飲む習慣があることで、田舎の爺さんや婆さんたちは、長く健康を保って元気に過ごされているように感じます。

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